ぶどう栽培・ワイン醸造

生き生きとした生命力や躍動感に溢れるワインを。
時を経て辿り着いたナチュラル&ハンドメイドの手法。

ぶどう栽培

(1)フェルミエのぶどう畑と栽培品種(2016年6月現在)

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新潟市西蒲区越前浜・角田浜

【垣根栽培】アルバリーニョ、カベルネ・フラン、ピノ・ノワール
(補助品種:ピノ・グリ、プティ・ヴェルド)

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A アルバリーニョ E ピノ・ノワール
(シュペート・ブルグンダー/D115/D667)
B カベルネ・フラン F プティ・ヴェルド
C 非公表 G ピノ・ノワール (D777)
D アルバリーニョ H ピノ・グリ

新潟市南区新飯田

【棚栽培】アルバリーニョ

 

(2)契約栽培圃場と栽培品種

・新潟市南区東萱場

【垣根栽培】アルバリーニョ、シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー

・北海道余市町

【垣根栽培】ケルナー、カベルネ・ドルサ、カベルネ・ミトス

ストレスなくのびのびと育ったぶどうにはその土地の自然の様々な要素が現れ、ぶどうは自然のエネルギーで溢れています。当然、そのようなぶどうからナチュラルに造られるワインも生き生きとした生命力や躍動感に溢れ、ワインの香りや味やストラクチャーといった形で無数の自然の情報を飲み手にもたらします。自然のエネルギーを湛える良いワインは人にその土地の自然を想起させ、享楽や美味しさをもたらし、時に飲み手の魂を揺さぶりさえするものだと思います。フェルミエはそのようなぶどう栽培、ワイン造りを目指しています。

私達が目指すところは、「新潟の自然が素直に現れる良いワインを造ること」です。そのためにはまず、自然を尊重し、自然をありのまま受け入れます。そして、良いワインを造るために不適切な環境を改善したり足りないものを補ってやることがヴィニュロンの役割と考えます。

フェルミエのワイン造りはシンプルで当たり前の手法です。ぶどうやワインの声を聞き(=様子をつぶさに観察して)、必要とされる時に適時に適切なケアを施します(予防的な措置は極力講じません)。また、環境や人に優しい手法が理想ではありますが、ぶどうやワインの状態、及びそれらを取り巻く環境を鑑みずに「自然栽培」や「有機栽培」、「ビオロジック」、「ビオディナミ」といった手法を目的化し造り手の理想や都合を無理やりぶどうやワインに押し付けるものではありません。あくまでもその土地の表情が素直に現れる良いワインを造ることが目的です。除草剤や化学肥料の使用は放棄しておりますが、湿気が多く病害のリスクが高い日本でぶどうを栽培するにあたり、ぶどうにとって必要とあらば化学農薬も必要最小量を使用します。

(注:ただし、2016年シーズンは、6月現在、化学農薬を使用しておりません。その理由は、主に毎週末に開催しております「醸造家が案内するフェルミエ ワイナリーツアー」などでお話しております。)

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ワイン醸造

(フェルミエの畑のぶどうから造る)ドメーヌワインを中心に、野生酵母による自然発酵に任せ、ワインの移動時や瓶詰め時は重力や不活性ガスで圧送する手法により極力、ワインにストレスをかけないことを心掛けています。各工程で細かな酸化/還元管理を徹底し、酸化防止剤である亜硫酸の使用も微量に抑えています。赤ワインの醸造においては、昔ながらのバスケットプレス(圧搾機)使用のほかには機械類に頼らずに1樽ずつ手作業で醸すこともあります。除梗破砕機を使用せずに全房発酵させたり、手で徐梗するなどして愛情を注いで栽培したぶどうを慈しむ想いから丁寧に手作業で醸してみると、そうして出来たワインはより繊細で優しく、よりこの土地らしいワインとなることも10年の時を経て見えてきました。

私達人間がコントロールできない自然と向き合うワイン造りにおいては、いつも数値分析などに基づいて論理的に対処できたり、プラン通りの工程で進めるとは限りません。不測の事態には造り手の経験や感覚を頼りに即断し、スピーディーに対処する必要もあります。一人のヴィニュロンが現場で自らぶどうとワインに対峙し、栽培や醸造の全工程に責任を負い、すべてのぶどうやワインに目配りできる量しか扱いません。これにより必要な時に適切に対処するフェルミエのワイン造りの手法が可能になります。